ブラザー工業は8日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比80%増の570億円になる見通しだと発表した。630億円の従来予想から60億円下方修正した。工作機械事業で、中国を中心に自動車や一般機械向けの設備投資需要の回復が想定より遅れている。
売上高にあたる売上収益は5%増の8650億円。従来予想(8800億円)から150億円下振れる。特に工作機械や工業用ミシンを扱うマシナリー事業の売上収益は16%増の900億円とし、従来予想を271億円下回る見込みだ。年間配当は100円の予定を維持する。
同日、名古屋市内で記者会見した池田和史社長は「工作機械の需要は回復傾向だが力強さがない」と述べた。本格的な回復時期については「来年の初めから夏ごろまでには」(池田社長)とみている。
24年4〜9月期の連結決算は売上収益が前年同期比7%増の4272億円だった。主力のプリンターや複合機などの事業で、機械本体やインクなど消耗品の販売が堅調に推移した。
事業セグメント利益は6%増の429億円だった。販管費が増加したものの、値上げの効果に加えて為替が円安に推移し円ベースでの利益が膨らんだことで補った。純利益は3%減の281億円だった。為替差損などの影響があった。
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