ヤマハは1日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比39%減の180億円になる見通しだと発表した。従来予想(20%増の355億円)から下方修正し、一転減益になる。ピアノの販売不振が続く中国市場で一段の減速を織り込んだ。中国工場や同工場に部品を供給するインドネシア工場で78億円の減損損失を計上する。
中国はヤマハにとって主力市場の一つ。現地の景気減速に加え、教育政策の転換で入試での芸術加点制度がなくなり、ピアノ需要が激減している。同社でピアノを製造する中国工場は9月から4カ月間の稼働停止に入っている。西村淳執行役員は1日記者会見し、インドネシア工場も連動して稼働の休止を予定していることを明らかにした。
中国ではこれまでは比較的安価なアップライトピアノの販売不振が目立っていたが、長引く経済停滞でハイエンドなグランドピアノの販売も失速しているという。ピアノの市中在庫が引き続き高水準にある。同社によると在庫適正化の時期をこれまで26年3月期としていたが、27年3月期に遅れると見込む。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比65%減の52億円、売上高にあたる売上収益が4%増の2281億円だった。
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