ニコンは半導体関連製品の販売計画を下方修正した

ニコンは31日、2025年3月期通期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期比51%減の160億円になる見通しだと発表した。従来予想(8%減の300億円)から140億円下方修正した。半導体市況の回復が遅れ、半導体露光装置の販売が下振れする。産業機器などのコンポーネント事業で構造改革費用の計上も響く。

事前の市場予想(QUICKコンセンサス、297億円)も大きく下回った。みずほ証券の斉田健一シニアアナリストは31日付のリポートで「(通期の)修正額は相応に大きく、マネジメントが描く『半導体相場回復による来期業績回復』への期待値低下は避けられない」と指摘した。同日夕の時間外取引の株価は東証終値を1%下回る場面があった。

売上高にあたる売上収益は1%増の7250億円の見通しで、従来予想を250億円下回る。10月以降の想定為替レートは従来予想の1ドル=145円、1ユーロ=155円を据え置いた。

営業利益は45%減の220億円と従来予想から130億円引き下げた。半導体露光装置の下振れに加え、ヘルスケア事業のうち眼科機器などを扱うアイケアソリューション分野で一時費用10億円が発生するほか、コンポーネント事業での構造改革費用25億円も利益を押し下げる。

あわせて24年4〜9月期の連結純利益が前年同期比74%減の25億円になったと発表した。従来予想は70億円だった。半導体関連製品が振るわなかったほか、外貨建て資産の評価替えに伴う為替差損や有価証券の評価損が利益を押し下げた。

業績予想を下方修正したものの「株主還元の強化や資本効率の向上を図る」として同日、300億円を上限に自己株式を取得すると発表した。発行済み株式(自己株式除く)の8.7%に当たる3000万株を上限に買い付ける。期間は11月8日から25年3月24日までで、取得した自己株式の全株を3月31日に消却する。

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