記者会見するJR九州の古宮社長(23日、福岡市)

JR九州は23日、子会社のJR九州高速船(福岡市)が浸水を隠して運航を続けていた問題で、外部の弁護士らによる第三者委員会の調査報告が「11月中になる」との見通しを明らかにした。第三者委は不正行為に及んだ動機や原因のほか、JR九州全体のガバナンス(企業統治)の不備について調査している。

古宮洋二社長が同日の記者会見で説明した。また2024年4〜9月期決算について、11月6日に予定通り発表する考えも示した。同社は子会社の書類偽造問題を受けて18年4〜9月期決算発表を1カ月間程度延期したことがある。

JR九州は、博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」で3カ月以上にわたる浸水隠蔽が発覚した問題を受け、9月3日に第三者委を設置した。

博多港に停泊するJR九州高速船の旅客船「クイーンビートル」(9月、福岡市)

これまでに同社はハード面での再発防止策として船体を補強する可能性を示唆してきた。古宮社長は「何百億円、何十億円かかるものではないとみており、決算には大きく影響しない」と語った。

浸水隠蔽問題を巡っては、国土交通省がJR九州高速船に対して①安全統括管理者と運航管理者の解任命令②輸送の安全確保に関する命令――の2つの行政処分を出している。10月末までに両管理者の後任を選定したうえで改善報告書を提出する必要があり、人選や内容について「最終調整している」と答えた。

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