全国農業協同組合連合会(JA全農)は17日、新米への端境期に発生したコメ不足と価格高騰の背景に関する分析結果を公表した。需要は家庭用が5万トン、訪日客を含む外食や中食の回復で業務用は10万トン、それぞれ前年より増加したと説明。猛暑による品質低下が追い打ちをかけ、肥料の生産コストの上昇などもあり、価格が高騰した。今後も価格が高止まりする可能性がある。

 8月中旬から9月中旬にスーパーなどで品薄が発生した背景は、8月に地震や台風が重なったことが主な要因とした。

 23年産米は夏の猛暑の影響で精米時の歩留まり(良品率)が下がり、7万トンの不足につながったと試算。ほかの食品値上げで比較的コメに値頃感が出たことにより、家庭用の需要を押し上げたとみている。

 取引が始まった24年産米の価格は、23年産に比べ上がっている。JA全農の担当者は、高齢化や後継者不足の問題に触れ「再生産可能な価格水準に理解をいただきたい」と話した。

 今後の価格は「上がりすぎれば需要減少も懸念される」として、落ち着く可能性を指摘した。

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