車両部品の組み立て工程で、作業時の圧入力値が基準を一部下回っていた

JR東日本は20日、車輪と車軸からなる「輪軸」の組み立て工程で、作業時の圧入力値が基準を下回って組み立てられ、現在も運用されている輪軸が76本あると発表した。京浜東北線や中央線など首都圏の在来線46両分に相当する。うち8本では基準内に収まるよう検査データを書き換えていた。安全性に問題はないとし、2024年内に順次交換する。

76本の圧入力値では下限値を最大17%下回っていた。そのうち8本は基準内に収まるよう東京総合車両センター(東京・品川)で検査データを書き換えていた。輪軸の点検や交換に伴う追加コストなど業績への影響は軽微という。国土交通省は同日、24日からJR東に特別保安監査を行い、安全管理体制などを確認すると発表した。

JR貨物のデータ改ざん問題を受け、関東運輸局の指示に基づき在来線の輪軸4万4000本と新幹線の同5600本を点検していた。

11年ごろ〜17年3月にかけて過去の調査で判明していた分として、圧入力値が基準を下回った輪軸が4842本、上回った輪軸が46本あったと20日、明らかにした。上回ったものは「大きな圧力を加えたため変形の恐れがある」(同社)として交換した。下回ったものは他の検査による安全性を担保し、その後の定期交換まで運用し続けた。4842本のうち定期交換が終わっていない76本がいまも使われている。

JR東は20日、08〜17年3月にかけて社内規定から外れた輪軸1200本弱の検査データを基準内に収まるように書き換えていたことも明らかにした。書き換えが判明した17年3月以降はデータを正しく記録できるよう管理している。1200本弱のうち定期交換が終わっていない8本がいまも使われている。JR東の担当者は「基準値から一定程度外れたとしても安全性に問題はないと、当時のメーカーとも相談のうえ(データの)書き換えを判断してしまった」と説明した。

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