豊田通商は2030年度までの10年間で、再生可能エネルギー分野に1兆円を投じる。世界で再生エネ電力への需要が高まる中、従来計画から3000億円積み増した。発電容量は現在の490万キロワットから30年度に1000万キロワットまで伸ばす方針で、アフリカやインドなど新興国での開発を急ぐ。
アフリカでは3月に設立した新会社「エオラス」を通じて、風力や太陽光発電所の開発を進める。チュニジアではノルウェーの太陽光発電会社スカテックとともに、出力計10万キロワットの太陽光発電所を建設する。8月に着工しており、25年後半に稼働させる。またインドでも再生エネを手掛ける新会社を設立する方向だ。
20日に都内で説明会を開いた今井斗志光副社長は「国によって適している再生エネは異なる。電源の多様化を図り、再生エネのマルチパスウェイ(全方位戦略)を進めていきたい」と強調した。30年度時点での地域別発電容量は、新興国が40%、日本が30%、欧米が30%の割合にする予定だという。
豊田通商は再生エネ事業に力を入れており、傘下に風力発電国内最大手のユーラスエナジーホールディングス(東京・港)や、太陽光事業のテラスエナジー(東京・千代田)を抱える。今後は欧州や日本で、洋上風力事業にも参画する計画だ。
電池と資源循環分野への投資も拡大する。当初計画から500億円ずつ増やし、それぞれ4500億円、2500億円に引き上げた。車載電池の製造や原材料調達、樹脂のリサイクルなどの取り組みを強化する。
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