イオンが開業した介護用品・サービスを紹介する専門店「マイスキュー」の店内(東京都品川区のイオンスタイル品川シーサイド)

イオンは12日、東京都品川区の総合スーパー(GMS)に介護用品・サービスを紹介する専門店を開業したと発表した。仮想現実(VR)機器を使って認知症の症状を体感できるコーナーを設置したほか、高齢者の話し相手になるロボットや家事代行など約70社の商品やサービスを紹介する。消費者に体験してもらいやすい環境を用意して購入に結びつける。

イオンのGMS子会社、イオンリテールが運営するGMSのイオンスタイル品川シーサイド(東京・品川)に常設の専門店「My SCUE(マイスキュー)」を開いた。店舗面積は約120平方メートルで、GMSの1階入り口に開設した。

店舗内には約70社の参画企業が商品やサービスを並べ、企業の担当者が接客する。大塚製薬がジョリーグッド(東京・中央)とVRの訓練プログラムを開発し、体験コーナーを用意した。VRでは認知症の高齢者と介護する家族の立場になった臨場感ある映像で、それぞれの心の声を音声で聞く。認知症の独特の考え方を見聞きして理解を深め、介護に生かす。

小型の対話ロボットなども展示している(東京都品川区のイオンスタイル品川シーサイド)

パナソニックの対話ロボット「NICOBO(ニコボ)」やユカイ工学(東京・新宿)の見守りロボット「BOCCO emo(ボッコ エモ)」なども展示する。

イオンリテールは2023年9月に高齢の家族を介護する人向けの会員制サービスとしてマイスキューを立ち上げた。専用の情報サイトを用意し、医師などに介護や体調などについて相談できる。また期間限定店のポップアップストアもGMS各店に設置し、顧客にサービスや商品を紹介してきた。

新事業の立ち上げから1年で会員数は7万5000人に達した。今後は常設店も一定数増やし、立ち上げる予定の電子商取引(EC)モールでも販促する。会員数は27年2月までに4倍の30万人を目指す。

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