中古のディーゼルバスをEVに改修したバス(6日、東京都豊島区)

住友商事は中古のディーゼル車両を改修したEV(電気自動車)バスの量産を始める。少額出資する台湾のRACエレクトリックビークルズや国内のバス製造大手と連携して、2030年までに3千〜5千台の供給を目指す。再生可能エネルギーの供給も組み合わせ、バス業界の脱炭素化を後押しする。

6日、住商が路線バスなどを運行する国際興業に納入した改修EVバスを報道陣に公開した。国際興業が10年超使用したディーゼルバスのエンジンやトランスミッションをRAC社がモーターとバッテリーに取り換えた。

1回の充電で約150キロメートルの走行が可能で、火力発電由来の電気を使用した場合でも運行で排出される二酸化炭素(CO2)を半減できる。価格は新車のEVバスの半額ほどで、耐用年数は10年程度を見込む。

1回の充電で約150キロの走行が可能(車内に搭載したバッテリー)

9日から池袋駅から高島平(東京・板橋)方面に向かう路線バス2系統で運行を始める。車体には電池や充電コードを模したマークを描き、EVであることを視覚的に伝える。

住商はこれまで西日本鉄道に20台超を納入してきた。今後、国際興業への納入を順次拡大するほか、国内のほかのバス事業者とも交渉を進めている。住商グループで手掛ける発電事業と連携して、再生エネをバス事業者に直接供給することも視野に入れている。

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