【ワシントン共同】米鉄鋼大手USスチールの買収を目指す日本製鉄が、米政府に対して書簡を送り、拘束力のある国家安全保障に関する協定の締結を提案したことが5日分かった。ロイター通信が報じた。米政府は、建設など重要事業への鉄鋼の供給に対する悪影響を不安視。安保上のリスクを生じさせる恐れがあると日鉄側に伝えていたといい、日鉄は、懸念を払拭し計画を前進させる狙いがある。
書簡の送り先は、米国への投資が安保上の脅威をもたらすかどうかについて審査する省庁横断の対米外国投資委員会(CFIUS)。複数の欧米メディアは、バイデン大統領がCFIUSの勧告に基づき、買収阻止に向けた最終調整に入ったと報じている。
ロイターによると、日鉄はUSスチールとの3日付の共同書簡でUSスチールの現在の生産量を維持すると約束。その上で「USスチールの取締役会で、米国籍の取締役の過半数が承認した場合」には生産の削減ができるとした。
CFIUSは日鉄に対し、買収により「米国内の鉄鋼生産能力の削減につながる可能性がある」と指摘していたという。
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