スイスの金融大手UBSは4〜6月期決算で11億ドルの純利益を確保した(2023年3月、チューリヒ)=ロイター

【パリ=北松円香】スイス金融大手UBSが14日発表した2024年4〜6月期連結決算は、純利益が11億ドル(約1600億円)だった。買収したクレディ・スイス・グループとの統合進展によるコスト削減効果が寄与した。富裕層向け部門も資金流入が続き順調だった。

5月末にクレディ・スイスの統合手続きが完了してから初めての決算発表だった。23年4〜6月期は買収に伴う負ののれんで273億ドルと巨額の純利益を計上し、その後は統合関連費用で2四半期連続で最終赤字に転落するなど振れ幅の大きい決算が続いてきた。24年1〜3月期からは最終黒字に転換している。

セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)はこの日の声明で「クレディ・スイス救済に介入する前の収益性水準に向けて、順調に回復している。統合は新たな段階に入る」と強調した。

UBSは今後の経済見通しについて「地政学的な緊張や米国の大統領選により不透明感が漂う」とみている。7~9月期は11億ドル程度の統合関連費用を計上する見込みだという。

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