タイでピックアップトラックの販売が低迷したが円安と値上げで増益を確保した

いすゞ自動車が7日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比4%増の469億円だった。同期間の純利益としては3年ぶりに過去最高を更新した。為替の円安や製品値上げが寄与し、タイでのピックアップトラックの販売不振を補った。

同日、最大750億円の自社株買いを実施すると発表した。25年3月31日までに発行済み株式総数(自己株式を除く)の6%にあたる4500万株を上限に取得する。取得した株式は全て消却する。適正な自己資本の水準を意識し資本効率を高める。

4〜6月期の売上高は4%減の7479億円だった。世界販売台数は12万6000台と24%減った。主力市場のタイでは金利上昇の影響で自動車ローンの審査が厳しくなり、ピックアップトラックの販売が低迷した。

営業利益は12%増の769億円だった。円安が145億円、値上げが120億円の増益要因となり、販売台数の減少や販売構成の悪化の影響を補った。

25年3月期通期の業績予想は変えなかった。純利益は前期比9%減の1600億円を見込む。一方でタイでのピックアップトラックの販売計画を3割減の9万台から5割減の6万台に引き下げた。

山口真宏取締役は同日のオンライン記者会見で「下期からの緩やかな需要回復を見込んでいたが、25年3月期中の回復は難しそうだ」と話した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。