北米の販売の落ち込みを円安が補った

SUBARU(スバル)が5日に発表した2024年4〜6月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比15%増の840億円だった。2月に発生した国内工場稼働停止の影響で米国でディーラーへの販売台数が10%減少するなどしたが、為替の円安が利益を下支えした。

売上高に当たる売上収益は1%増の1兆921億円、営業利益は8%増の911億円だった。営業利益ベースでは為替差益が409億円あったが、米国での販売台数減や販売奨励金増加などの影響で、営業利益の伸び幅は66億円の増加にとどまった。

米国での販売台数減について水間克之最高財務責任者(CFO)は国内工場の稼働停止が響いたと説明した上で、「ディーラーから顧客への引き渡し台数は24カ月連続で増加している。販売台数は今後挽回していく」と述べた。

1台あたりの販売奨励金については旧モデルのフォレスターの販売などで前年同期比1250ドル増の2050ドルとなったが、水間CFOは「引き続き低い水準で推移している」と指摘。販売奨励金は金利補助に使っているため、「米国で利下げがあればプラスの影響が出る」(水間CFO)と説明した。

不安材料は急激に進む円高だ。スバルは全販売台数の7割超を米国で販売しており、円ドルレートが1円動くと100億円の営業利益に影響があるとされる。円高について水間CFOは「大きく動いている状況だけに(影響の)見極めが必要」とし、25年3月期の業績見通しや販売台数、配当については変更を見送った。

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