セイコーエプソンは31日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比3%増の540億円になる見通しだと発表した。9%減の従来予想から60億円上方修正し、一転増益になる。インクを紙に噴射する基幹部品のプリントヘッド外販の販売数量が期初の想定を上回る。為替レートを円安に見直したことも業績を押し上げる。

プリントヘッド外販は中国メーカー向けの販売が好調に推移している。同日、オンラインで記者会見した水上昌治執行役員は「衣服や小物への印刷需要が急増した」と話す。一方、半導体事業は今期中の需要回復は見込みにくいとして従来予想を引き下げた。

通期の想定為替レートは1ドル=151円と期初予想(1ドル=144円)から7円円安の前提に変更した。他の通貨もあわせた年間の為替影響は事業利益ベースで40億円のプラス要因となり、従来予想から60億円上振れする。

同日発表した24年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比5%減の191億円だった。シンガポールの製造拠点再編にかかる費用の計上が利益を圧迫した。

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