「エンハーツ」の売り上げが好調だった

第一三共が31日発表した2024年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比50%増の853億円だった。主力のがん治療薬「エンハーツ」の販売が好調で、利益を押し上げた。ジェネリック医薬品(後発薬)を手掛ける第一三共エスファの株式譲渡益も発生した。

売上高に相当する売上収益は24%増の4361億円。エンハーツは国内に加えて欧州やブラジルでの販売が伸びた。エンハーツの売上実績は前年同期比59%増の1296億円となった。乳がんを中心に胃がんや肺がんといった疾患で利用が増えた。

抗凝固薬「リクシアナ」や疼痛(とうつう)治療剤「タリージェ」も収益に寄与した。米メルクとの提携に関わる契約一時金の収入も発生した。為替の影響は売上収益に対して304億円の増収要因となった。

第一三共エスファはクオールホールディングスへの売却が決まっている。第一三共は4月までに保有株式の51%を譲渡し、将来は全株を売却する予定だ。株式譲渡益は一過性の収益として163億円を計上した。

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