7つの蔵の23銘柄を冷蔵コンテナに積み込んだ(11日、山形県天童市)

インドでコメ作りを手がける米穀卸のアスク(山形市)は、インドへの日本酒輸出を始める。山形県と新潟県の7つの蔵の23銘柄・9434本を積んだコンテナが15日に東京港からインド・ムンバイに向けて出港する。日本酒をコンテナ単位でインドへ輸出するのは国内初という。

山形県天童市にある日本通運の拠点で11日に、出羽桜酒造(天童市)や六歌仙(東根市)、柏露酒造(新潟県長岡市)などの日本酒を冷蔵コンテナへ積み込んだ。容量は300ミリリットルと720ミリリットル。インドでの販売価格は日本の5倍程度になると見込む。輸送費に加え、関税や登録料などがかかるためだ。

報道陣の取材に応じるアスクの河合社長㊧と河合常務(11日、山形県天童市)

インドでの提携先である酒類製造販売大手のADSと協力。品質管理を徹底しながら、まずはADSが本拠とする北部ハリヤナ州を起点に需要を掘り起こす。現地の食品関連見本市に出展したり、販売店向け勉強会、レストラン向けイベントなどを開いたりして、日本酒の認知度を高める。

アスクの河合克行社長は報道陣の取材に「インドの人口は世界一だが、日本酒をたしなむ食文化は根付いていない」と説明。そのうえで「我々が先導役となり、大きな市場を切りひらきたい」と意気込んだ。

現地法人アスクインディア社長を兼ねる河合龍太常務は「インドの日本酒需要を掘り起こしたい仲間を募り、オールジャパンの取り組みにしたい」と話している。

アスクは2018年にアスクインディアを設立。山形県のコメの主力品種「はえぬき」を現地で育てて精米し、和食に向く「谷藤米」として販売している。24年の栽培面積は18年の約11倍にあたる350ヘクタールを予定している。加工食品や魚介類の日本からの輸出も手がける。

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