東京都心はオフィスの需要が底堅い(港区の高層ビル群)

オフィス仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が11日発表した6月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均空室率は前月比0.33ポイント低い5.15%だった。本社移転や館内増床の動きが加速し、2カ月ぶりに低下した。

渋谷を除く4区で低下した。千代田区は0.16ポイント低い2.93%、中央区は0.36ポイント低い6.01%、港区は0.60ポイント低い7.16%、新宿区は0.44ポイント低い4.36%だった。一方、渋谷区は0.35ポイント高い4.48%だった。

背景にはオフィスの底堅い需要がある。業績が好調な企業が分散していた本社機能を都心に戻したり、集約したりする動きが相次いでいる。内装工事費や原状回復費といった費用の上昇や工事期間の延長に伴い、同じビル内での増床を選ぶ動きもある。

5区全体の平均募集賃料は前月比35円(0.18%)高い1坪(約3.3平方メートル)当たり1万9979円だった。上昇は5カ月連続。企業移転による強いオフィス需要を背景に賃料を上げる事業会社も増えている。

オフィス仲介大手、三幸エステート(東京・中央)の今関豊和チーフアナリストは「本社移転や内部増床のトレンドは続きそうだ。賃料水準を上げる動きもあり、市場は活況だ」と話す。

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