ネパールからの視察団はニッカリ本社などを訪れた(6月21日、岡山市)

農機メーカーのニッカリ(岡山市)はネパールに進出する。国際協力機構(JICA)の事業を活用し、現地の販売代理店を通じて斜面での作業に用いられる産業用モノレール「モノラック」を展開する。山間地の農業支援や災害対策などの社会課題を解決することを目的に、日本と地形的な共通点が多いネパールの市場を開拓する。

6月にネパール企業から視察団4人が来日し、ニッカリの製品を使っている農家や土木工事の現場を視察した。

ネパールでは水力発電や地質調査向けに早期の事業化をめざす。モノラックは最大斜度45度まで登坂でき、軌道を柔軟に設定して多くの山や斜面で利用可能だ。機材や資材、作業員の運搬に使われている。

ニッカリは韓国、台湾、イタリアで販売代理店を通じて製品を供給してきたが、最も売り上げの大きい韓国でも2000万円程度だった。

杉本宏代表取締役は「韓国(の売り上げ規模)を超えたい」とネパール市場の可能性に期待する。現地は補助金がなければ個々の農家では導入が難しい。将来的に農業分野で導入することも視野に入れ、ネパール農業省に働きかける考えだ。

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