経済同友会の夏のセミナーは、最終日を迎え、会員の企業経営者などが社会課題への対応につながる企業経営のあり方や、国内外の人材活用、それに生成AIの課題など、幅広いテーマで議論しました。

このうち、円安が加速する中、「円」の長期的な需要を増やすことにつながる海外からの日本への投資をどのように拡大するかという議論では
▽投資の対象となるスタートアップ企業などの規模を拡大するためにM&Aを進めていくことや
▽事業の将来性を高めていくことが必要になるといった意見が相次ぎました。

また、日本の産業の競争力に結び付く形の投資かどうかが重要だという指摘も出されていました。

新浪代表幹事は「社会問題の解決のために規制を変えれば、民間企業が投資をできるようになる。官民ともに柔軟に国内投資を強化することが必要だ」と述べました。

経営者「投資を呼び込んだ分だけ日本企業も投資すべき」

不動産大手「森トラスト」の伊達美和子社長は、加速する円安について「日本で投資をするという意味で競合が出てくるというふうに捉えているし、今の為替では海外に投資をするのはなかなか難しい」と述べました。

そのうえで、日本への投資拡大にあたっては「投資を呼び込んだ分だけ日本企業も投資をすべきだと思う。共存共栄で成長するためにどう投資を呼び込むかを考えていくべきだ」と指摘しました。

ロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長は「為替が円安に振れすぎると日本が安く評価されているということなので、今の水準は少し行き過ぎている部分があると思う」と述べました。

また、円安によって原材料やエネルギーのコストなどが上昇する反面、外国人旅行者の増加がプラスに働いているとしたうえで「外国人旅行者が日本で消費をすることは、考え方としてはサービスの輸出だ。それを安売りするのでなく、付加価値をつけて評価してもらえば1つのチャンスになる」と述べました。

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