保有する住商エアバッグ・システムズの保有株式を全て再生ファンドのリーバに売却する

住友商事は28日、自動車のエアバッグ用のクッション材を製造・販売する子会社の住商エアバッグ・システムズ(長崎県松浦市)の保有株式約83%を全て投資ファンドのリーバ(東京・千代田)が設立した特別目的会社に売却すると発表した。2025年3月期に50億円の損失を計上する。不良資産を整理し、経営資源を成長事業に集中する。

11月上旬の売却完了を予定している。売却額は非公表。住商エアバッグは04年、住商が住江織物、旭化成グループと共同で設立した。エアバッグ世界大手のオートリブ(スウェーデン)やトヨタ自動車系の豊田合成などにクッション材を納めている。

近年は輸送費、光熱費の高騰によるコスト増や商品競争力が相対的に低下して業績が低迷、24年3月期の最終損益は8億円の赤字だった。

住商エアバッグの残りの株式を保有する住江織物と旭化成もリーバに売却する。リーバは住商エアバッグが「厳しい安全基準を満たし、高品質で信頼性の高いエアバッグを供給し続けている」とし、再生の余地があると判断して取得を決めた。

リーバは住友商事出身の西中顕吾共同代表が立ち上げた中堅・中小企業を対象とする再生ファンドで、住商も14.9%出資している。デジタル技術を使った収益改善に強みを持ち、これまで警備会社などに出資した実績がある。

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