富士フイルム和光純薬はウサギを使った医薬品試験を代替する試薬を開発した

富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム和光純薬(大阪市)は27日、医薬品の安全性を実験動物のウサギを使わずに調べられる試薬を7月から発売すると発表した。欧州などで実験動物の使用を減らす動きが広がっていることに対応する。

富士フイルム和光純薬は医薬品の安全性を調べる試薬を手がける。注射剤やワクチンは、開発時に健康に悪影響を及ぼす可能性がある発熱性物質が入っていないかどうかを調べ、規制当局に示す必要がある。従来の試験ではカブトガニの血液やウサギなどを用いていた。

新発売する試薬は「MAT法」と呼ばれる手法で使われ、ウサギを使って発熱性の有無を調べる試験を代替する。別売りの細胞と組み合わせ、5時間で発熱性があるか分かる。1日半ほどかかる既存のMAT法に比べ早いのが特徴だ。

試薬の希望納入価格は8万円(税別)。別売りの細胞も8万円(同)を想定する。製薬会社向けに販売する。2030年をメドに、数十億円程度の売上高をめざす考え。

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