米シージェンとの紛争で、第一三共の抗がん剤技術に関する知的財産権が全面的に認められた

第一三共は28日、抗がん剤技術をめぐる米製薬会社シージェンとの紛争について、知的財産権が第一三共に帰属するとした米国仲裁協会の判断が確定したと発表した。シージェンは第一三共に仲裁費用の約4700万ドル(約75億円)を支払った。シージェンは裁判所に判断の取り消しを申し立てていたが棄却されていた。

第一三共の主力医薬品「エンハーツ」にも使われる抗体薬物複合体(ADC)という技術について争っていた。シージェンはADC技術に関する知財権が同社に帰属すると主張していた。仲裁協会は2022年8月にはシージェンの主張を全面的に否定し、ADC技術に関する全ての知財権が第一三共に帰属するとの判断を示した。

23年11月には仲裁費用はシージェンが負担するとの判断も下った。シージェンはワシントン州の連邦地方裁判所に仲裁判断の取り消しを申し立てたが、24年4月の判決で棄却された。シージェンは期限内に控訴しなかったため仲裁判断が確定し、費用を支払った。

第一三共とシージェンはADCの共同研究を始めたが、15年に新薬開発の成果が出ないとして関係を解消した。その後、ADC技術の知的財産権や特許権をめぐる争いが起きた。

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