松本剛明総務相は21日、SNS上で著名人になりすました広告詐欺が急増している問題を受け、米IT(情報技術)大手のメタなど5社に広告審査を厳格にするよう要請したと明らかにした。同省が同日付で文書を送った。
総務相は21日の閣議後の記者会見で「広告を端緒としたSNS型投資詐欺の被害が急速に拡大しており、深刻で重大な課題になってきている」と強調した。
要請したのはメタのほか米グーグル、米X(旧ツイッター)、LINEヤフー、tiktokを運営する中国ネット大手のバイトダンス。メタはフェイスブックやインスタグラムを運営するが、詐欺被害全体で最初に接触するツールとしての割合が高いとして単独で文書を送った。
ほか4社は所属する一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構を通じて要請した。運営するSNSの平均月間アクティブユーザー数の多さで選んだ。
5社には広告の事前審査の基準策定とその公表や、本人確認の徹底を求めた。日本語や日本文化を理解する人を十分に配置することも要請した。
利用者が限られる「クローズドチャット」に誘導する広告を原則採用しないことも要求した。対応状況を総務省の偽・誤情報対策を議論する有識者会議で報告してもらうことも伝えた。
今回の要請は政府が18日にまとめた詐欺に関する総合対策に基づく。強制力を伴うものではない。これとは別に、総務省の有識者会議は法改正も視野に追加の対策を検討している。夏に方向性をとりまとめる予定だ。
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