2025年大阪・関西万博に出展する米国館の起工式が17日、会場となる大阪市の埋め立て地「夢洲」であった。建物は今秋に完成させ、来年初めから設備の試運転やスタッフの教育・訓練を始めるという。
同館のスポンサーを米MGMリゾーツ・インターナショナルが務めることも明らかにした。同社は、万博後に夢洲で計画されているカジノを含む統合型リゾート(IR)を主導するカジノ運営企業だ。
米国館は、逆三角の2棟の建物が上空から見てアルファベットの「W」のような形で並ぶ。そのふたつの建物を、箱形の橋がつなげている。日本の古い橋の造形などに影響を受けたデザインだという。設計チームを率いる米国の建築家トレー・トレイハン氏は、起工式前の取材に「2棟をつなぐ立方体は、文化の架け橋の象徴でもある」などと説明した。
パビリオンにはステージも設けられ、会期中は連日バンドやダンサーらが出演。内部のレストランでは、米国料理も提供する。米航空宇宙局(NASA)と、宇宙関連の展示も準備しているという。
10日には、日米首脳がNASA主導の月面着陸計画で、日本人宇宙飛行士も月に送ることに合意したばかり。起工式であいさつしたラーム・エマニュエル駐日米大使は、1970年大阪万博の米国館で「月の石」が人気を集めたことにも触れ、「大阪で(再び)万博を開くのに、これ以上の時機はない」と語った。(西村宏治)
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