日本腎臓学会は、回収の対象となっている小林製薬の3種類の製品を摂取したあとに腎臓の機能に障害が出た患者がいないか会員の医師にアンケート調査を行っていて、7日、4月末までの集計結果を発表しました。

それによりますと、これらの製品を摂取したあと医療機関を受診した人は189人いたということです。

このうち15人程度については検査の結果異常はなかったということですが、多くの患者では腎機能障害、食欲不振、けん怠感、尿の異常といった症状が見られたということです。

血液や尿の検査では腎臓の尿細管という部分の機能が低下する「ファンコニー症候群」という病気の可能性がある患者が多くみられました。

腎臓の組織の検査を行った94人でも、43.5%で尿細管などの炎症、28.3%で尿細管のえ死の症状がみられたということです。

治療の状況については、およそ4分の3の患者が製品の摂取をやめることで症状が改善しましたが、2割はステロイドによる治療を受けたほか、1割は継続して投薬が必要になっているということです。

また、人工透析を受けた人も7人いたということですが、このうち少なくとも1人は以前から腎臓の病気があり、製品との関連は低いとみられるということです。

日本腎臓学会の猪阪善隆副理事長は「比較的軽症の人が多いが、1割くらいの人は継続して治療が必要な状況だ。摂取した人は症状がなくても念のため検査を受けたほうがいいのではないか」と話しています。

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