▼自動車の型式指定 自動車の大量生産と安全性を両立するための仕組み。自動車メーカーは新車を量産する際、国土交通相に申請し、ブレーキ性能などの安全性や環境性能に関する基準に適合しているか審査を受ける。道路運送車両法はメーカーが不適切な手段で指定を受けた場合などは指定を取り消せると定める。型式指定が取り消されると1台ずつ車検を受ける必要があり、事実上量産できなくなる。

2023年に不正が発覚し、3車種の型式指定が取り消されたダイハツ工業では、国内にある4工場で生産と出荷を一時停止。自動車産業はサプライヤーやディーラーなど業界の裾野が広く、経済的な影響が大きい。ダイハツの不正は24年1〜3月期の国内総生産(GDP)のマイナス成長の要因にもなった。

メーカーによる検査不正が繰り返されたことを受け、国交省は抜本的な組織体制の見直しを求める「是正命令」を設けるなど罰則を強化した。一方で時代に合っていない規定やメーカー側が解釈を求められる曖昧な基準が残っているといった認証制度自体の課題を指摘する声もある。

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