3年前の2021年2月、大分市の当時19歳の被告は市内の県道で車を時速194キロで運転し、交差点を右折してきた車と衝突して運転していた小柳憲さん(当時50)を死亡させたとして危険運転致死の罪に問われました。
裁判では危険運転致死罪の適用要件とされている「進行を制御することが困難な高速度」にあたるかが主な争点になりましたが、大分地方裁判所は28日の判決で「ハンドルやブレーキのわずかなミスで進路から逸脱して事故が発生する危険性がある」として「制御困難な高速度」にあたると認め、危険運転致死の罪が成立すると判断しました。
この要件についてほかの猛スピードの車による死亡事故をめぐる裁判では、これを満たしていないとして危険運転致死傷罪にあたらないと判断される事例も出ていて、適用要件のあいまいさが改めて浮き彫りになりました。
適用要件の見直しをめぐって法務省の検討会がまとめた報告書では、要件を満たすと一律に判断できる数値基準を設けることも考えられるなどとしていて、今回の判決を踏まえて法改正の必要性などの議論が進むのかが注目されます。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。