兵庫県の小学4年女児を刺傷した殺人未遂容疑で逮捕された勝田州彦容疑者(45)は、別の女児殺害事件で服役中の8月以降、未解決で十数年が過ぎていた小4女児刺傷事件や県内の小2女児刺殺事件について「自分がやった」と記した手紙を関係者に送っていた。14日で逮捕から1週間。県警は連続女児襲撃事件も視野に全容解明を急ぐが、立証に向けては課題もある。
「また逮捕されそうですっ」。容疑者は2004年の岡山県津山市の小3女児刺殺事件で無期懲役判決を受けて徳島刑務所で服役中、かねてやりとりしていたフリーライターの高橋ユキさんに手紙を送った。消印は今年8月22日で、06年の兵庫県たつの市の小4女児刺傷事件で県警から取り調べを受けていると突然明かした。
さらに9月12日消印の手紙では、同じく未解決だった07年の同県加古川市の小2女児刺殺事件も挙げ「どちらも自分がやった。刑事に自供した」「良くて無期懲役、悪くて死刑のレベル」と記載。高橋さんは容疑者が津山事件で認否などの供述が変遷していたとして「何が本当なのか。正直に話してほしい」と語る。
県警が容疑者の任意聴取を始めたのは今年5月下旬。刃物で女児を狙った津山事件との類似点に着目したためで、容疑者は県内の両事件への関与を当初否定したが、7月以降に順次供述したとされる。女児の傷など、たつの市の事件の状況と説明に矛盾がないことなどから県警は今月7日に逮捕。加古川市の事件についても調べる方針だ。
ただ、大阪大の水谷規男教授(刑事訴訟法)は両事件が発生から十数年経過し、証拠が散逸している可能性があるとして「総じて有罪立証のハードルは高い」と指摘。「捜査機関も知らないことを容疑者が述べ、それに基づく捜査で事実と認められた『秘密の暴露』があるかがポイントになるだろう」と話した。〔共同〕
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