ホストクラブの飲食代を稼がせるため女性客に売春を強要したとして、警視庁保安課は13日、売春防止法違反(困惑等による売春未遂)の疑いで、東京・歌舞伎町のホストクラブ「GRAN(グラン)」のホスト七瀬大こと田中大亮容疑者(24)を逮捕したと発表した。逮捕は11日付。

田中容疑者の勤務していたホストクラブを家宅捜索した捜査員=11日、東京都新宿区歌舞伎町で

 逮捕容疑では8~10月、客の女性=当時(24)=に店での飲食代を稼がせようと、交流サイト(SNS)で「稼ぎが少ないと会えないよ」「今日は結果出さないとおかしいからね」などと売春を強要するメッセージを繰り返し送信。心理的圧力を加え、歌舞伎町の大久保公園周辺で売春目的の客待ちをさせたとされる。同課によると、容疑を認めている。  歌舞伎町では客が高額な料金を払えない場合の売掛金(ツケ払い)が問題化し、主なホストクラブが4月に売掛金廃止を表明。同課によると、田中容疑者は「客の未払い分を自分の給料から店に払い『立て替え金』と称して客に後払いさせた」と供述。同課は、売掛金が事実上続いていた可能性があるとみている。   ◇   ◇

◆2度逮捕された女性に「次は稼ごう」とまで

 警視庁保安課によると、女性は店のSNSを見たのをきっかけに、4月から店に通い始めた。「指名1位」という田中容疑者に入れ込み、週5、6回通い、次第に請求額が増加。田中容疑者から「バイトより『立ち』(売春)の方が稼げるよ」と言われ、8月から大久保公園周辺で週3、4回の売春を繰り返した。

(写真はイメージ)

 来店のたび「その金額では少ない」などと怒られ、客待ちをしている様子を「自撮り」して送るよう指示されたという。店での飲食代は総額数百万円に上ったとみられる。  女性は9、10月の2回、客待ち中に売春防止法違反容疑で逮捕された。田中容疑者から「次は逮捕されないよう気を付けて稼ごう」「俺とのLINE(の履歴)を消してね」などと要求されることも。2度目の逮捕で初めて田中容疑者の関与を明かし、捜査員に「精神的につらくなった。私が間違っていた」と語ったという。(小倉貞俊) 

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