日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の原子炉直下に活断層がある可能性を否定できないとして、原子力規制委員会は13日、原電の再稼働に向けた申請が原発の新規制基準に不適合とした審査書を正式決定した。敦賀2号機は再稼働できなくなった。

日本原電敦賀原発1、2号機(手前)と3、4号機の予定地(右奥)=2024年7月13日、福井県敦賀市で(本社ヘリ「まなづる」から、木口慎子撮影)

新基準で不適合と判断された原発は初めて。8月に了承した審査書案に対するパブリックコメント(意見公募)には意見と見なせるものが67件寄せられ、結論に不満を示すものも含まれていたが、規制委はいずれも退けた。(荒井六貴)

◆委員5人が全員一致「認められない」

東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえて2013年7月に施行された新基準の下では、これまでに再稼働に向けた申請が16原発27基から出され、規制委は10原発17基について適合と判断している。敦賀2号機は不適合とされた初のケースとなった。 13日の規制委の会合で、5人の委員の全員一致で「(新基準に)適合しているものとは認められない」とする審査書を決定した。

◆活断層の「活動性」「連続性」を否定できず

新基準では、大地震を引き起こす恐れがある活断層上に原子炉建屋など重要施設を設置することを禁じている。審査では、2号機の原子炉建屋から北に約300メートルのところにあるK断層にポイントを絞って議論した。

敦賀原発2号機の再稼働を認めないことを正式決定した原子力規制委員会の会合=11月13日、東京都港区で(山下葉月撮影)

審査書は、まず、K断層は活断層の可能性(活動性)があると指摘。その上で、K断層が2号機の原子炉建屋直下までつながっていること(連続性)が否定できないと結論付けた。 原電は活動性と連続性をともに否定していたが、規制委は、原電が否定できる十分な証拠を示せていないと判断した。 原電は今後、K断層を再調査して、あらためて再稼働を目指す考え。だが、敷地周辺にはK断層以外にも100本以上の断層があり、これらの評価も必要となるため、規制委の判断を覆して再稼働につなげるのは簡単ではない。 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。