戦争の放棄を掲げた憲法9条を守るための活動や発信の拠点「9条の家」が30日、東京都杉並区梅里2にオープンした。9条の関連書籍を置いたカフェや動画配信スタジオを設け「お茶を飲みながら9条を語れる憩いの場」を目指す。立ち上げた市民有志らによると、こうした活動拠点は全国で初めてという。

憲法9条を守る活動拠点としてオープンした「9条の家」

◆同じく平和憲法を持つコスタリカの博物館に似ていて…

 名誉館長に元朝日新聞記者の伊藤千尋さん(75)、顧問に慶応大名誉教授で法学者の小林節さん(75)、理事長に平和運動家の金野奉晴(こんの・ともはる)さん(75)が就任。各地で9条を守る活動をしてきた有志らが理事として加わり、計26人で運営団体を立ち上げた。  9条の家は洋風外観の木造2階建ての元民家。所有していた金野さんの親族が亡くなり、相談を受けた伊藤さんが活用方法を提案した。建物の外観が、日本と同じく平和憲法を持つコスタリカの博物館に似ていたことから思いついたという。

◆「9条は崖っぷちにある」

「9条の家」オープンにあたって抱負を語る伊藤名誉館長(左)と金野理事長

 この日はオープニングセレモニーがあり、集まった約50人がテープカットし、合唱が披露された。伊藤さんは「憲法改正議論があり、9条は崖っぷちにある。武力に対して武力ではなく、ここから9条を広めることで世界を良くしていこう」とあいさつした。  開館は午前10時~午後6時、水曜定休を予定。東京メトロ丸ノ内線の新高円寺駅から徒歩8分。問い合わせは金野さん=電080(5499)0612=へ。(浜崎陽介、写真も) 

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