勤務していた仙台市の中華料理店、大阪王将仙台中田店(閉店)にナメクジが大量にいると、SNSに虚偽投稿をしたとして、偽計業務妨害などの罪に問われた元従業員、円谷晴臣被告(25)に、仙台地裁は24日、懲役1年(求刑懲役1年6月)の実刑判決を言い渡した。

  • 【関連記事】飲食店「ナメクジ投稿」逮捕 内部告発、保護の線引きは

被告側は投稿により業務を妨害したと認める一方で、内容は虚偽ではないと主張していた。判決理由で須田雄一裁判官は「供述が変遷しており、5、6匹見たという被告の供述は信用できない。投稿は事実を大きく誇張している」と退けた。

須田裁判官は店長への個人的な恨みが動機だと認定し、「投稿は公益通報目的ではなく、1匹はいたことを踏まえても、動機や経緯に酌むべき事情はない」と述べた。

判決によると、被告は2022年7月、同店にナメクジが大量にいるとツイッター(現X)に投稿し、衛生管理のため店を一時休業に陥らせたり、動画投稿サイトで「店長は料理が下手」と発言し店長の名誉を毀損したりした。

被告は退職届を出した直後の22年7月に投稿し、店の不衛生な状態を訴えるためだったと記者会見もしたが、24年2月、宮城県警に逮捕された。店の経営会社はフランチャイズ契約を打ち切られ、閉店に追い込まれた。〔共同〕

「日経 社会ニュース」のX(旧ツイッター)アカウントをチェック

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。