他人のクレジットカード情報を使い、新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス予約」で乗車券を不正に入手したとして、警視庁犯罪収益対策課は24日、中国籍で職業不詳の劉虎容疑者（33）=埼玉県川口市=と、ベトナム国籍で職業不詳のブ・ティ・チン容疑者（28）=同=を私電磁的記録不正作出・同供用と窃盗の疑いで逮捕したと発表した。

同課によると、ネット予約を悪用して新幹線乗車券を不正に入手する事件が相次いでいる。JR東海の被害額は今年に入ってからだけでも約8億7千万円相当に上る。警視庁は複数の実行役がいるとみてグループの実態解明を進める。

劉容疑者の逮捕容疑は8月、他人のIDとパスワードでエクスプレス予約にログイン。アカウントにひも付いているクレカ情報を使用し、新幹線の乗車券18枚（約24万円相当）を不正に購入し、駅で発券した疑い。

ブ容疑者の逮捕容疑は7月、同様の方法で乗車券38枚（約46万円相当）を発券した疑い。同課は2人の認否を明らかにしていない。2人に面識はないという。

同課によると、劉容疑者は盗んだ乗車券を金券ショップに持ち込み換金していたという。他人のエクスプレス予約のアカウント情報は、偽メールや偽サイトで個人情報を盗み取る「フィッシング詐欺」で集められた可能性が高い。

エクスプレス予約は東海道・山陽・九州新幹線の会員制ネット予約サービス。年会費がかかるが通常よりも割安な価格で乗車券などを購入できる。

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