映画「釣りバカ日誌」シリーズやNHK大河ドラマなどに主演し、温かみのある演技で親しまれた俳優の西田敏行(にしだ・としゆき)さんが東京都世田谷区の自宅で死去したことが分かった。76歳。福島県出身。 8日には映画のイベントに出席、元気な姿を見せていた。所属事務所関係者は「心臓の持病があったが、普通に日常生活を送っていた」と話した。捜査関係者によると、17日午後0時20分ごろ、西田さんの家族が119番した。ベッドで冷たくなっている状態で、その場で死亡が確認された。 1970年に劇団青年座に入団。NHK連続テレビ小説「北の家族」や、「西遊記」「池中玄太80キロ」「淋(さび)しいのはお前だけじゃない」などのテレビドラマに数多く出演し、注目を集めた。 81年のNHK大河ドラマ「おんな太閤記」で豊臣秀吉を演じた。大河ドラマでは「翔(と)ぶが如(ごと)く」「八代将軍吉宗」「葵 徳川三代」で主演した。映画でも存在感を放ち、88年から「釣りバカ日誌」で主演。出世より釣りや家庭を愛する万年平社員の「ハマちゃん」を演じ、「男はつらいよ」の後を継ぐ形で国民的人気シリーズとなった。 山田洋次監督の「学校」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受けた。他の主な作品に「植村直己物語」「敦煌」「ゲロッパ!」「アウトレイジ ビヨンド」など。 歌手としても活動し「もしもピアノが弾けたなら」が大ヒット。NHK紅白歌合戦にも出場した。人気ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」の主役は森繁久弥さんから引き継いだ。人気バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」では司会役の「局長」を務め、涙もろい姿を見せて親しまれた。近年の主な作品にドラマ「ドクターX」など。日本俳優連合の理事長として俳優の権利拡大に向けた活動にも取り組んだ。 2008年紫綬褒章。18年旭日小綬章。 (写真は17年8月撮影)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。