大阪 「ロレックス」窃盗事件 配送車尾行し隙を狙ったか

ことし5月、大阪 中央区の路上で「ロレックス」の高級腕時計172本、およそ2億8000万円相当を載せていた配送車ごと盗んだとして、警察は暴力団員ら2人を窃盗の疑いで逮捕したほか、16日夜に、新たに住所・職業不詳の村田徹容疑者（52）を新潟県内で逮捕しました。

実行役グループのリーダー格とみられるということです。

容疑者らは事件当日、運転手が配送車を路上に止め、別の荷物の配達で、その場を離れた3分ほどの間に盗んだとみられていますが、その直前に、配送車の近くを走る不審な車が防犯カメラに映っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。

この車から降りた1人が配送車に乗り込み、そのまま走り去ったということです。

警察は、容疑者らが配送車を尾行し、隙を狙っていた疑いがあるとみて詳しいいきさつを調べています。

逮捕された3人の認否については明らかにしていません。

事件が起きたのは、ことしの5月21日でした。

▽この日、ジュラルミンケース5つを載せた配送車が大阪市内を走っていました。
ケースに入っていたのは、ロレックスの高級腕時計、合わせて172本です。
ロレックスの正規の代理店に届ける予定だったといいます。

警察によりますと、
▽午前8時40分すぎ、車は大阪 中央区博労町の路上で止まります。載せていた別の荷物を配達するためでした。

▽運転手は、車のエンジンを切ったうえで荷物を降ろし、いったん、その場を離れました。この時、車のキーはつけたままだったといいます。

▽その後、運転手が配達を済ませて戻ると、車はなくなっていました。

▽その間、わずか3分ほど。

▽運転手は、すぐに「配達中に車を盗まれた」と110番通報し、事件が発覚しました。

警察が現場周辺の防犯カメラの映像を確認したところ、別の車から1人が降りてきて配送車に乗り込み、そのまま走り去る様子が映っていたということです。

そして、事件からおよそ9時間後の
▽午後6時前、現場から2キロ余り離れた大阪 浪速区の路上で配送車が乗り捨てられているのが見つかります。しかし、腕時計はケースごと持ち出されていました。

▽付近の防犯カメラには、逮捕された3人を含む複数の人物が腕時計を別の車に移し替えて逃走する様子が映っていたということです。

▽盗まれた腕時計の一部は、その後、複数の買い取り業者に持ち込まれ、売りさばかれていたことが分かりました。持ち込んだのは、逮捕された3人とは別の複数の男女だということです。

警察は、実行役や売却役など、グループのメンバーがそれぞれ役割を分担していたとみています。

腕時計の大半は今も見つかっておらず、警察が詳しいいきさつを調べるとともに、事件に関わったとみられるほかの人物の行方を捜査しています。