「マイナ保険証」の利用を巡り、開業医らで構成する全国保険医団体連合会(保団連)は17日、5~8月に全国の医療機関で起きたトラブルの最終調査結果を発表した。70%の医療機関で「トラブルがあった」と回答。マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れで保険証として使えなかったケースは1799の医療機関(約20%)で確認された。

会見する保団連の山崎利彦理事(中央)ら

 調査は8月、全国約6万7000の医療機関に調査票を送付。回答した1万2735件を集計した。  トラブルがあった医療機関数は8929で、カードの読み取り機で資格確認ができず「いったん10割負担」を患者に求めたケースは857の医療機関で少なくとも1241件に上った。  トラブルの内訳は複数回答で氏名や住所の漢字が「●」で表示されたケースが67.4%で最多だった。転職や引っ越しなどで、資格変更時に情報が更新されず「無効」と表示されるケースも47.8%あった。  保団連の山崎利彦理事は「保険証の代わりに資格確認書が出るからいいだろうと政府は言うが、いつまで交付されるか分からない。保険組合などの負担を考えても保険証は残すべきだ」と訴えた。(長久保宏美) 調査で寄せられたトラブルの具体例(抜粋) 「資格情報が無効なケースが1番多い。クレームもあり。個人情報が全くひも付いていないケースもあった」(茨城県・医科診療所)
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「高齢者の方でマイナンバーカードの電子証明書の期限切れの方が増えています。更新手続きを行うよう説明しますが、医療機関で案内をするより自治体などで丁寧に説明するなりしてほしい」(愛知県・医科診療所)
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「電子証明書の有効期限が切れている方が多い。患者様自身、有効期限があることをご存じない」(千葉県・医科診療所)
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「●の出現率が多すぎます。難しい字ならともかく、『樹』とか。共済で『●城県』と住所に出ます」(茨城県・歯科診療所)
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「当院は小児科ですが、本人の顔認証がむずかしいことがある。また、付きそいの方が暗証番号をおぼえておられず、使用できないことがある」(富山県・医科診療所)
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「発熱外来を、駐車場で車内で行っているが、マイナンバー保険証では屋外でカードリーダーが使用出来ず、こまっている」(群馬県・医科診療所)
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「本人の情報ではなく子供の情報が出てきた」(青森県・医科診療所)
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「資格取得が2カ月前にもかかわらず、資格情報が無効となる。後期高齢者の負担割合が変更になっていても反映されていない」(宮城県・医科診療所) 

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