徳島県板野町が100年以上前の米国の名車「T型フォード」の乗車体験を、ふるさと納税の返礼品にしている。同町の徳島工業短期大の学生がクラウドファンディング(CF)で集めた資金で車体を修復した。町と短大が連携し地域の盛り上げを狙う。(共同通信=永久泰地)
2020年、フォードの県内販売代理店の閉業に伴い、自動車に関連する学部がある短大に、1台の1912年式T型フォードが寄贈された。T型フォードは世界初の大量生産車として知られ、累計販売台数は1500万台以上を記録した。
昨年7月、短大の創立50周年記念事業として、約40年間作動していなかったこの車両を復活させるCFを開始。50万円の目標金額に対し、約130人から190万円以上の支援金が集まった。自動車整備士資格の取得を目指す12人の学生が中心となり、車体の塗装やエンジン修理などを行い、3カ月の工期で修復した。
復活させたT型フォードを活用した地域貢献の一環として、短大側が町にふるさと納税返礼品として乗車体験などを提案。今年6月から募集を開始した。
設定金額は2種類で、町に12万円を寄付した場合は、納税者を含め2人が実際に車両を短大の敷地内で運転できる。8万円の寄付では、納税者を含めた5人が短大の職員が運転する助手席に乗れるプランだ。
CFのプロジェクトリーダーを務めた徳島工業短期大自動車工学専攻科2年の三井悠豊(みつい・ゆうと)さん(22)は「現在の車両とは構造や操作方法が全く違う。当時の雰囲気を感じてもらいたい」と話している。
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