愛知県犬山市の栗栖地区は、桃太郎にまつわる伝説が残り、岡山県や高松市と並んで「日本三大桃太郎伝説地」に数えられている。木曽川沿いの緑豊かな景勝地だが、人気では最近、近くの観光施設に押され気味だ。にぎわいを取り戻そうと、犬山商工会議所が、桃太郎を題材にした新しいキャラクターを作り「聖地化」に向けて取り組んでいる。(共同通信=佐藤仁紀)
栗栖地区は、桃太郎が木曽川上流から流れ着き、育った場所とされ、隣接する岐阜県可児市の川にある「鬼ケ島」で、イヌ、サル、キジと共に鬼と戦い、改心させたとの伝説が残る。桃太郎を祭った「桃太郎神社」もある。川沿いに巨石が並ぶ景勝地として知られているものの、犬山城などと比べると、訪れる観光客数は伸び悩んでいる。
「桃太郎伝説は岡山だけではない。犬山市ももっとアピールしていい」。5年ほど前から構想を練り、同商議所が考案したのが「木曽川桃太郎外伝」。桃太郎は実は女性で、主人公「ももちゃん」が家来とともに鬼退治に向かうストーリーだ。県内の大学生がキャラクターをデザインした。高橋秀治会頭は「日本の漫画やアニメは海外でも人気。インバウンドも見込める」と太鼓判を押す。
知名度アップに向け、まずは本格的なアニメーションを制作し、交流サイト(SNS)で発信する予定だ。桃太郎の新たな聖地となるよう、コスプレイベントやフィギュアや御朱印帳といったグッズの販売も計画している。
同商議所は今後、商標登録し、キャラクターを用いた土産物など、地元業者による商品開発の支援にもつなげていきたい考えだ。
高橋会頭は「日本各地の桃太郎伝説を大事にしてもらい、『外伝』がある犬山市にも聖地巡礼に訪れてくれるとうれしい」と意気込んでいる。
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