飲料容器はペットボトルが大半を占め、ガラス瓶は見当たらない=東京都内で
一方で「ガラス瓶のコーラはおいしい」という「都市伝説」があります 全国清涼飲料連合会(東京)に尋ねたところ、「基本的には容器は違っていても、中身は同じです。異なっているのは、容器が唇に当たった感覚だと思います。また飲み物の温度によっても味覚の違いが出てきます」と説明してくれました。 味覚の判断は、舌ではなく脳の役目です。米イエール大の神経生物学者ゴードン・シェファード教授(当時)が書いた「美味(おい)しさの脳科学」によると、風味の主役は「におい」です。かぜで鼻づまりになった時、食べ物の味を感じなくなった経験は多くの人にあることでしょう。嗅覚は、舌の味蕾(みらい)よりもずっと微妙で多様な識別ができます。 口に入った食べ物、飲み物に関して、味やにおいなど多くの情報が脳に送られ、そこで「おいしい」「いまいち」などと判断されます。情報の中には視覚も入ります。ガラス瓶のワインの方が、ペットボトルのワインよりおいしそうだと、脳は判断するでしょう。 過去の記憶が影響している可能性もあります。1970年代、80年代には、おいしさをアピールする瓶入りコーラのCMが大量に流れ、視聴者に強い印象を与えました。 環境負荷の面からみると、ガラス瓶を繰り返し使う方法は、金属やペットボトルと比べて、二酸化炭素排出量などの点で、優れているようです。ただペットボトルでも、使用済みのものを新品に生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」と呼ばれるリサイクル技術が開発されており、いずれ環境面でも性能の高い容器となるかもしれません。 (吉田薫)
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