去年2月、宇都宮市の国道でオートバイに乗っていた佐々木一匡さん(当時63)が法定速度を大幅に上回る時速160キロを超える速度の車に追突され、死亡しました。
車を運転していた石田颯汰被告(21)が過失運転致死の罪で起訴され宇都宮地方裁判所で裁判が行われていますが、遺族がより刑の重い危険運転致死の罪に問うべきだとして、検察に起訴の内容を変更するよう求めていました。
宇都宮地方検察庁はその後、追加の捜査を行った結果、制御困難な高速度での走行だったなどと判断し、10日、起訴の内容を危険運転致死罪に変更するよう宇都宮地方裁判所に請求しました。
事故をめぐっては佐々木さんの遺族などがインターネットや街頭で署名活動を行い、これまでに7万5000筆以上が集まっていました。
被害男性の妻「まずはほっとしている」
佐々木一匡さんの妻の佐々木多恵子さんは、検察が起訴の内容を危険運転致死罪に変更するよう裁判所に請求をしたことについて10日、県庁で記者会見を開きました。
この中で多恵子さんは「主人の無念を晴らしたいという思いで、きょうまで署名活動を続けてきたので、まずはほっとしている。主人には『やっとできたよ』と報告したい」と話していました。
また、被告に対しては「初公判以降、一度も会っていないし謝罪のことばもない。裁判ではきちんと罪を認めてほしいし、裁判所には相当の罪で裁いてほしい」と話していました。
追突事故と裁判の経緯
去年2月14日の午後9時半ごろ、宇都宮市の国道を走行していたオートバイに後ろから走ってきた乗用車が追突する事故があり、オートバイに乗っていた佐々木一匡さん(当時63)が死亡しました。
車を運転していた石田颯汰被告(21)が過失運転致死の罪で起訴され、宇都宮地方裁判所で裁判が行われています。
車は法定速度を100キロ上回る時速160キロを超える速さでオートバイに追突したとされ、被告は起訴された内容を認めています。
亡くなった佐々木さんの妻、佐々木多恵子さんは検察から「直線道路なので、スピードを出していても車が制御困難だったとは言えず、危険運転にはあたらない」と説明されたということです。
多恵子さんは、「法定速度を100キロ以上も上回る速度で追突したのに危険運転にあたらないという判断はおかしい」などとして、去年6月、宇都宮地方検察庁に対し、法律の適用を見直し、より刑の重い危険運転致死の罪に問うことを求める要望書を提出しました。
また、街頭やインターネットで署名活動を行い、これまでに7万5000筆以上が集まっています。
これを受けて検察は去年8月、事故現場で現場検証をするなど補充の捜査を行い、危険運転致死の罪の適用について検討を進めていました。
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