1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定していた袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)で、検察当局は9日、静岡地裁の無罪判決に対する上訴権を放棄した。袴田さんの無罪が確定した。死刑判決を覆して再審無罪が確定したのは戦後5例目となる。
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畝本直美検事総長は8日、控訴しないとする談話を公表した。1981年の最初の再審請求から結論までに43年かかったことを踏まえ、最高検として手続きを検証する方針も示した。今後は再審制度の見直しの議論も焦点となる。
静岡地裁は9月26日、検察側が有罪立証の柱とした「5点の衣類」などの証拠について、捜査機関による捏造(ねつぞう)と認定した。他の証拠を検討しても袴田さんの犯行とはいえないとして、無罪判決を言い渡した。
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