解体を前に一般公開された福島県双葉町立双葉中の旧校舎。別れを惜しむ卒業生らが訪れた=5日午後

 2011年の東京電力福島第1原発事故で11年5カ月もの間、全町避難が続いた福島県双葉町で5日、荒廃が進み解体が決まった町立双葉中旧校舎と同ふたば幼稚園旧園舎が一般公開された。当時の姿を残すかつての学びやに、卒業生らが別れを惜しんだ。

 中学校の教室では、卒業式前に黒板に書かれた「成人式で会おう」などの寄せ書きが残り、げた箱にはほこりをかぶった靴が入ったまま。東日本大震災が発生した午後2時46分付近で止まっている時計もあった。

 当時中学3年生、東京都の朝田優さんは図書室で床に散乱した本を手に取り「読書が大好きで1日に何回も来ていた。自分だけが大人になったようで悲しい」と涙ぐんだ。

双葉中学校旧校舎の図書室で、本を手に取る卒業生の朝田優さん=5日午前、福島県双葉町

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