国土交通省は2025年度から、警報機と遮断機がない「第4種踏切」の安全対策を強化するため、手動のゲートや柵の設置を支援する。歩行者に踏切を横断する際の一時停止などを促し、事故の防止につなげる。同年度予算概算要求に関連経費を盛り込んだ。
群馬県高崎市の上信電鉄の第4種踏切で今年4月、小学4年の女児が電車にはねられて死亡する事故が発生。第4種踏切は、22年度末時点でローカル鉄道を中心に全国で約2400カ所ある。
事故を受け国交省は25年度、踏切の安全対策として、警報機や遮断機、非常押しボタンなどを整備する鉄道事業者への補助制度を拡充する。歩行者だけが通行できる第4種踏切に、手で押したり持ち上げたりして動かすゲートや、自転車から降りないと通れないようにする柵を設ける場合も対象に加える。国と自治体で費用の最大6分の5を補助する。
警報機と遮断機がある「第1種踏切」への切り替えは2000万~3000万円程度の多額の費用がかかるため、国交省は簡易な設備の導入を支援することにした。横断する際に歩行者に一時停止や左右確認を促す効果が期待されるという。
国交省によると、踏切は4種類に分けられ、警報機はあるものの、遮断機がない「第3種踏切」は約590カ所、保安係が遮断機を操作する「第2種踏切」は現在は設置されていない。
警報機と遮断機がない「第4種踏切」=2018年6月、岐阜県可児市
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