福島 双葉町 解体予定の中学校で見学会 卒業生らが別れ惜しむ

福島第一原発が立地する双葉町はおととし、JR双葉駅周辺の一部の区域で避難指示が解除され、原発事故の影響で使用できなくなった双葉中学校とふたば幼稚園を解体することにしています。

5日は解体を前に見学会が行われ、このうち双葉中学校には多くの卒業生などが訪れました。

震災が起きた日は卒業式だったため、3年生の教室の黒板には卒業を祝ったり、別れを惜しんだりするメッセージなどが当時のまま残されていました。

また、図書室では、地震で本棚が倒れて本が床に散らばったままになっていて、図書委員だったという女性が色あせた本の背表紙を眺めながら中学校で過ごした日々を懐かしんでいました。

町によりますと、中学校の跡地には、認定こども園や義務教育学校などが一体となった教育施設が建設される予定だということです。

震災当時、中学3年生で、東京から訪れた20代の女性は、「図書室で過ごした時間が人生の一部になっていたので、来ることができてよかったです」と話していました。

別の卒業生の女性は「新しい学校になって、次の世代がまた楽しい思い出を作る場所になってもらいたい」と話していました。

見学会は6日も行われます。