13年前の2011年2月に上野動物園にやってきたジャイアントパンダのオスの「リーリー」とメスの「シンシン」は、19歳と高齢で高血圧の治療なども必要なことから、29日、中国に返還されます。
最後の観覧日となった28日、動物園には大勢のファンが詰めかけ、開園の1時間以上前には列に並ぶ人が2000人を超え、これ以上は観覧ができないとして受け付けが締め切られました。
パンダ舎では、2頭が竹を食べたり、木によりかかったりしていて、訪れた人たちは写真を撮りながら「さようなら」とか「ありがとう」などと声をかけていました。
そして、最後の30分は混乱を避けるため、あらかじめ抽せんで選ばれた人たちが観覧しました。
200人の募集に対して、およそ61倍にあたる1万2000人余りの応募があったということで、抽せんに当たり3歳の子どもと一緒に来た母親は「最後を見届けることができて本当によかった」と話していました。
また、抽せんに外れたファンも、観覧が終わったあとパンダ舎の周りに集まり、2頭との別れを惜しんでいました。
2頭は29日未明にトラックで動物園をたち、その日のうちに中国に到着する予定です。
上野動物園 冨田副園長「2頭は明るい光をともしてくれた」
最後の観覧を終え、上野動物園の冨田恭正副園長は「2頭は、東日本大震災やコロナ禍で暗い雰囲気が漂う日本に明るい光をともしてくれた存在でした。きょうも本当に多くの人が好きでいてくれたんだと改めて感じ、心から感謝しています。あとは2頭を安全に中国に移送する一大ミッションをしっかり達成したい」と話していました。
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