能登半島地震の影響が残る石川県奥能登地方では21日、前線や低気圧の影響で線状降水帯が発生し、記録的豪雨となった。輪島、珠洲、能登の3市町では県内で初めてとなる「大雨特別警報」が発令。県などによると、珠洲市で1人が死亡、増水した川に流されるなどして少なくとも6人が行方不明となった。

◆自衛隊に災害派遣を要請、4万人超に避難指示

 12水系16河川で氾濫したほか、各地で土砂が崩れるなどして、輪島や珠洲などでは多くの集落が孤立。停電や断水も発生し、住宅の床上・床下浸水も広範囲で確認された。  県は自衛隊に災害派遣を要請。消防庁にも緊急消防援助隊派遣の応援を求めた。輪島、珠洲、能登3市町は2万1422世帯の計4万4501人に避難指示を出した。  県のまとめなどによると、珠洲市若山町では土砂崩れで自宅が倒壊、下敷きになった人が死亡。他に能登町で重傷2人。  降り続いた雨の影響で、12の小規模河川で越水。道路をふさぐなどして多くの町、集落が孤立しているという。仮設住宅、県営住宅でも床上浸水、停電、断水などの被害を確認。羽咋市以北の7市町で避難所が計94カ所開設され、午後4時時点で1358人が身を寄せた。  能越道や県管理道路の各所で通行止めとなり、能登空港は22日の羽田便を欠航とする。  気象庁によると、21日午前、輪島市で1時間に121ミリ、珠洲市で84.5ミリを観測。輪島と珠洲は観測史上最大となる猛烈な雨となった。大気は不安定で、22日昼前にかけて非常に激しい雨が降り、災害の危険度が非常に高い状況が続く。これまでの雨や能登半島地震の影響で地盤が緩み、警報地域が広がる可能性もある。(田嶋豊、河野晴気)

河川の氾濫で押し寄せた大量の流木

河川の増水で流木や土砂が押し寄せた仮設住宅

大雨で土砂が流れ込んだ石川県珠洲市大谷町内(住民提供)

河川の氾濫で押し寄せた大量の流木

大雨で土砂や流木が流れ込んだ石川県珠洲市大谷町内(住民提供)

大雨で土砂や流木が流れ込んだ石川県珠洲市大谷町内(住民提供)

幅数十メートルにわたって裏山の土砂が崩れ落ち、民家になだれこんだ現場=21日、石川県輪島市で



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