不要品の買い取りを装い現金を振り込む「先払い現金化」の手口でヤミ金融を営んだとして、警視庁生活経済課は19日、出資法違反(超高金利)の疑いで、東京都江東区の会社役員萩原教章(のりあき)容疑者(40)ら3人を逮捕したと発表した。先払い方式のヤミ金の摘発は全国2例目。  他に逮捕されたのは、大田区の職業不詳五十嵐海斗(30)と、港区のアルバイト山口修(36)の両容疑者。  同課によると、萩原容疑者はインターネットで「買取キング」という不要品買い取りを装ったサイトを運営。実際には物を買い取らず、買い取り額相当を客に先払いして貸し付け、キャンセル料名目で元金と利息を払わせていた。同課は認否を明かしていない。  逮捕容疑では2022年5月~23年12月、神奈川や埼玉、福井県内の当時20~30代の男性3人に計約179万円を貸し付け、利息として法定利息の約6~13倍となる計約114万円を受け取ったとされる。  ◇   ◇   ◇

◆捜査関係者「客もうすうすヤミ金だと気付いていた」

 萩原教章容疑者らが運営していたサイトには「金融ブラック審査OK」などと、不要品買い取りとは無関係の文言が掲げられていた。捜査関係者は「客も、うすうすヤミ金だと気付いて借りていた」とみる。  生活経済課によると萩原容疑者らは、客との間で不要品の売買を偽装。買い取り代金の先払いは融資に相当し、出品のキャンセル料を利息としていた。ゲーム機など買い取る品を指定するのは容疑者側で、客が本当に持っているかどうかは不問。客から送らせる商品の画像もインターネット上にある画像で構わず、売買するはずの品の受け渡しもなかった。

◆容疑の3人、緩く流動的に結び付く「トクリュウ」か

 萩原容疑者らは「先払い」の手口で2022年5月~今年2月、全国の約1600人に計約2億4000万円を貸し付け、1億3000万円の利益を不正に得ていた。同課は、複数の容疑者らが緩く流動的に結び付く匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)とみており「次から次へと出てくるヤミ金の新しい手口に気を付けてほしい」と注意を呼びかけている。(昆野夏子) 

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