2022年4月23日、知床半島の沖合で、観光船「KAZU 1」が沈没した事故では乗客と乗員、合わせて20人が死亡し、乗客6人が行方不明になっています。

北海道警察本部は11日に、行方不明者の捜索のために水中カメラで撮影した船内の映像を公開しました。

映像は、事故の発生から10日後の5月3日に、水深115メートル近くの海底で撮影されていて、客室の壊れた座席や黒いバッグ、それに救命胴衣などが確認でき、観光船の内部の様子をうかがうことができます。

ただ、行方不明者の発見につながるものは映っていませんでした。

警察は撮影後、希望した乗客の家族に見てもらったということで、映っていた黒いバッグは、持ち主の家族に引き渡されました。

事故をめぐり、船内の映像が公開されるのは初めてだということです。

警察によりますと、この映像は海上保安庁に提供されているということで、第1管区海上保安本部は、業務上過失致死の疑いで、専門家を交えた事故の再現実験を行うなど捜査を続けています。

海難事故などの調査を行う水難学会の安倍淳理事は「映像の透明度が高く、混乱の中で沈没したことなどが、よくわかる貴重な映像だ。この映像を多くの人に見てもらうことで、海難事故の恐ろしさや家族の悲しみを伝える一部になってほしい」と話していました。

船内の様子は

公開された映像は、海底に沈没した観光船の船内の様子がうかがえます。

画面の下には、水深およそ115メートルで撮影されていることが表示されています。

客室が映し出された映像には、座席が壊れている様子がうかがえ、壊れた座席の金具の枠に埋まるような形で残された黒いバッグが確認できます。

このほか、複数の救命胴衣やロープなども見られました。

また、操だ室とみられる部分も映し出されていました。

映像は、およそ50分撮影されていましたが、行方不明者の発見につながるものは映っていませんでした。

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