子宮頸がんなどを防ぐ「HPVワクチン」をめぐっては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次いだことなどから、一時、積極的な接種の呼びかけが中止されましたが、有効性や安全性が確認できたとして、おととし、積極的な呼びかけが再開されました。

そして、呼びかけを中止した期間に接種をしていなかった1997年度から2007年度生まれの女性を対象に、公費で打てる「キャッチアップ接種」が実施されています。

この「キャッチアップ接種」は期限が来年3月までとなっていて、東京 港区にあるクリニックでは、これまで希望者はほとんどいませんでしたが、先月中旬からは週に1人から2人程度に増えているということです。

クリニックの院長は、接種は3回行う必要があり、期限内に終えるためには今月末までに1回目の接種を受ける必要があることから「駆け込み接種」に訪れる人が増えているのではないかとしています。

「クリニックばんびぃに」の時田章史院長は「SNSなどで啓発動画を見て予約したという人が増えてきてはいるが、まだ対象年齢の患者さんでも制度を知らないという人もいるので、さらに周知が進むといい」と話していました。

医師「安全性など納得したうえで接種検討を」

東京都医師会の理事で「かずえキッズクリニック」の川上一恵院長は、「子宮頸がんは20代や30代でも発症し、進行具合によっては亡くなったり、子宮を摘出したりするケースもあり、そのような病気に自分もかかる可能性があるということを理解することが必要」と説明しています。

そのうえで、ワクチン接種について「安全性などについて不安がある場合は、国や都のホームページなどで情報を得て、本人が納得したうえで接種を検討することが大事。また、接種をすると腕の痛みなどの副反応が出る可能性もある。痛みの感じ方は人それぞれなので、痛くてつらいという場合は、周りの大人などが『そんなはずはない』と否定することはせず、鎮痛剤を飲んだり、かかりつけの病院に相談したりするなど対応をとってほしい」と話していました。

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