中沢遺跡で見つかった掘っ立て柱建物跡(白線で囲われた部分、3日、滋賀県栗東市)=共同

弥生時代から古墳時代を中心とした集落で、滋賀県栗東市から草津市にまたがる中沢遺跡で弥生時代後期前半の大型掘っ立て柱建物跡が見つかった。栗東市教育委員会が5日発表した。

建物規模は東西8.9メートル、南北4メートルで、面積は35平方メートルを超え、同時期としては近畿地方で最大という。

調査した栗東市出土文化財センターによると、建物跡は住宅建設予定地で見つかり、当時は共同の集会所や倉庫などとして使われていたと推測される。

弥生時代中期は下之郷遺跡(同県守山市)など大きな建物が存在するが、後期になると気候の変化などで人が住みにくい環境になり、集落が縮小し大きな建物が見られなくなったと考えられていた。

後期中ごろには伊勢遺跡(守山市)で別タイプの大型掘っ立て柱建物が登場しており、今回の大型建物跡は、後期前半という空白期間を埋める手掛かりになるという。弥生土器や石器なども見つかった。

奈良県立橿原考古学研究所の森岡秀人共同研究員は「弥生時代後期初頭は社会の変革が急激に進む。この段階にも中期的な中心施設を有する例は極めて少なく、大変珍しい」としている。〔共同〕

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